川島永嗣と中村航輔
せっかくのワールドカップだしサッカーのことを書きまくろうと決意した丑三つ時。
世界では川島のスーパーパンチングが話題です。
これにより中村航輔を使うべきという声が上がっています。ところが西野監督は第3戦目も川島を使うことを決意したようです。
なぜ西野監督が川島を使い続けるのかを考えます(妄想します)。
そもそも、川島は西野ジャパン発足のガーナ戦からまずいプレーを繰り返していました。ガーナ戦に比べればワールドカップ2試合でのパフォーマンスなんてかわいいものです。
おそらくスイス戦まで終わった時点で西野監督には中村航輔を正GKにするプランはあったと思います。Jリーグでは素晴らしいパフォーマンスを残しているGKですし、何より2010年の川島のような勢いがあります。
ところが中村航輔は直前のリーグ戦で肩を負傷してしまったりしていたのでなかなか試せなかったのだと思います。そしてパラグアイ戦、満を持して中村をピッチに送り出しました。そのパラグアイ戦で、非常に嫌な感じの失点をしてしまいます。
この失点は絵的には川島のスーパーパンチングほどの派手さはないですが、あの位置からのシュートに対する準備が全く出来ていないせいで失点しており、本番だったら決定的なミスです。おそらく百戦錬磨の川島ならこのシュートは止めてるのではないかと思いますが、国際マッチ経験が不足している中村航輔としてはあの位置からあの威力のシュートが飛んでくるという咄嗟の予測が出来ないのだと思います。
この失点をみて、西野監督は川島を先発で使うことを決断したのではないかと思います。
さて、そんな川島さんも本番セネガル戦でスーパーパンチングを披露したわけですが、スーパーパンチング川島と、国際経験の乏しい中村航輔と、第3戦でどちらを使うかは西野監督の中でやはり葛藤はあったでしょう。
ではなぜ川島永嗣をまだ使うのか、川島と中村とがお互いに披露したミスの質を考えてみれば川島を使うのがベターだという判断になるのは自然です。
川島は止めれそうだったフリーキックを決められたりパンチングが跳ね返って決められたりと散々のように思えますが、実はどちらの場面も失点しても仕方のない場面なのです。コロンビア戦ではPA手前の良い位置でのFKを与えてしまっていますし、セネガル戦ではPA内からフリーでシュートを撃たれています。ただ、たまたま相手が川島がぎりぎり止められないという絶妙なシュートを撃ってきたので川島止めれただろってなっているのですが、ああいったシュートシーンを作られた時点で失点は覚悟しなければなりません。
一方で、中村航輔のパラグアイ戦での失点は若干DFの寄せが遅かっりおそらく視野が十分でなかったという面はあるにしても、基本的にはGKが止めてくれないと困るという種類のものです。あの位置からでも稀にノーチャンスのシュートが飛んでくることはありますが、パラグアイ戦のシュートは十分GKの守備範囲であり、あの位置からあの程度のシュートを撃たれることはそこそこよくあり、それはGKが防がなければいけません。
つまり、川島の失点に関しては、そもそもああいうシュートを撃たれてはいけないというチームとしてのDFの問題であるのに対して、中村の失点はGKが止めてくれないと困るという種類のものなのです。
したがって、西野監督は第3戦で川島永嗣を使い続けることを決断したのであり、中村航輔がビッグセーブ連発してくれんじゃねっていう期待感も分かりますが、西野監督の判断としてこれはこれでとても現実的な判断であると思います。
また、サッカーにはNever change a winning team. という格言がります。サッカーはかなり複雑なチームスポーツなので、個人としてよりベターだと思った選手に代えてみたら、見えていなかった所のバランスが崩れてチームとして上手く行かなくなってしまうということがあるので、勝っているチームは出来るだけイジらない方がいいという考え方です。