東京メトロの駅乃みちかはどうして批判されてるのか
アップデートされた東京メトロの女の子のイラストがエロくて公共の場にふさわしくないと批判されて、大変のようです。
それでネットはこんな批判は理不尽だと大変盛り上がってるのですが、以下の記事に象徴されるように「これがダメならあれもダメだろ」というのがネットの人達の主な主張です。
でもこれはそういう問題ではないのです。
「これがダメならあれもダメ」ロジックの中には、例えばこれがだめなら実在する女の子がイメージキャラクターやるのもダメだろというのを見かけますが、たとえば実在するAV女優が東京メトロのイメージガールになったらさすがにネットの人達もざわめきたつのではないでしょうか。
たとえば今回のイメージキャラクターが、全く同じ表情ファッションのエロゲのヒロインだったらどうでしょうか。ネットざわつきますよね。さすがにやりすぎなんじゃないかと。
これは2次元のイラストのまわりにある文脈の問題なのです。
イラストをいろいろみてきた僕らは、このキャラクターが性的なコンテンツと切り離されていると判断することも出来ますが、そうでない人たちからすると2次元のイラストはもっと大雑把にカテゴライズしているはずです。あるイラストは他の似たようなイラストの文脈を受け継いだ形で解釈されるのです。
そうだとしたときに、残念ながら僕らは2次元の女の子のイラストの周りにある文脈が全くクリーンなものだとはとても言えないのです。それは例えばエロゲで、例えばコミケです。ほとんど同じデザインのキャラクターがエロゲにがんがん出ていますし、エロ同人誌にガンガン出ているわけです。さらに言えば、本来性的なコンテンツとは関係ないはずキャラクターでさえも、性的コンテンツで二次利用しまくる文化がすっかり根付いてしまっているわけです。それもビッグサイトを借り切って、真昼間から、20万人とかが集うイベントでそういうものが大量に売買されているのが現状なのです。
なので、あのイラストをみて卑猥なイメージを連想してしまう人がいるのは、もうしょうがないです。そしてそういうイメージが連想可能であるということは、公共の場においてそれを拒否する権利もまたあるわけです。
オタクの人達は選択するべきでしょう。女の子のイラストの周りにある文脈を時間をかけてクリーンにする努力をする、つまりまずはエロゲ・エロ同人誌の類を買うことをやめるところから始めるか、もしくは今回のような批判を批判として受け止めるかです。
一方でエロ同人誌を買いまくって、もう一方でイラストを卑猥というのはけしからん、というのは通らないですよね。僕としては、後者の方向性で、ほどほどに自主規制しつつゆるくやってけばいいんじゃないかなと思うんですけどね。