結婚しないということ

人間30代も半ばとかになってくると、さすがに結婚とかについて考えないわけにはいかなくなってくるわけです。世の中の流れ的にダイバーシティとかあって、「結婚しろ」みたいなこというと炎上するみたいな世界がやってきてるわけですが、まあ実際のところ結婚しない人を素直に認めてあげるのが正しい選択肢なのかと言われるとなかなかうーんとなります。


つまりですね、「結婚しなさいよ」とおせっかい言われて絶望するケースはあまり想像出来ないんですけど、独身中高年になった時の強烈な孤独感や絶望感みたいなものはけっこう想像出来るんですよね。まあダイバーシティの論理展開としては、「結婚しないさい」と言う人がいるから独身者が絶望するんだということなのですが、僕もだんだん歳をとって肌感覚でやべー孤独みたいなのを感じてくるとですね、孤独っていうのはそんな生半可なものじゃなさそうだぞと、ひしひしと思うわけです。



それとはまたちょっとずれるんですが、「俺は俺で勝手に生きて死んでくんだし誰にも迷惑かけないから勝手にさせろ」みたいな話もよく見かけるんですけど、この世界に生まれちゃったからにはなかなか関係ないと言うことは出来ないんですよね。


僕たちは1/2の確率で男女分かれて生まれてきているわけです。それで、感覚的には場の力学みたいな話なのですが、この世界は1/2で男が生まれて1/2で女が生まれるという強制力のある場なのですから、僕が男として生まれたことによって確率的に別の誰かが女として生まれているわけですね。この両者の生は関係なくないんですよ。独身男性が孤独であるということは、対になっている女性も孤独になっているんです。だから「俺は関係ない」と言うことは出来ないんです。だってそれは事実だからね。


だからといって必ず結婚するべきだとは思いませんし、独身であっても1つの人生だと思うのですが、どこの誰だかも分からないけど自分と対になって生まれてきた一人の女性を孤独にさせているという罪悪感のようなものを、少し持っていた方いいんじゃないかなって思います。


まあそんなの関係なくどのみち生半可じゃない孤独がやってくるわけなんですけど、そういう罪悪感が心にあると、きっとその罪悪感は自分と社会とのつながりになると思います。これは上手く説明出来ないんですけど、「結婚なんか知ったこっちゃねー」と悟りを開くんじゃなくて、どっかの誰か結婚出来なくてすまねーなーくらいの感じで、僕はいこうと思いますよ。


まあ先のことは分からないですし、数年後にはころっと結婚してるかもしれない。といっても僕は家族という概念に対してかなり強い嫌悪感があるから、難しいかもしれないけどねー。