オンラインゲーム的宇宙観

みなさん宇宙について考えていますか。宇宙はいいですよ。大きいし。


僕も宇宙ってなんなんだろうな~ってたまに考えるのですが、今のところ僕の宇宙観はけっこう固まっていたりします。なのでそれをつらつらと書いていきます。ちなみに電波感しかないので半分本気くらいのノリで見ていただけると幸いです。


概要

僕たちが認識しているこの3次元空間の宇宙は幻想である。本当の宇宙は、宇宙の外側の境界平面上にデジタルのような情報として存在している。


平面上の情報が3次元空間世界として投影されたものが、僕たちが認識しているこの宇宙空間なのだ。そして、この宇宙空間に存在する意思を持った存在は「私自身」だけなのかもしれない。この宇宙には僕しかないない。というよりもこの宇宙空間は僕専用のものであり、人の数だけ宇宙空間があるのだろう。なぜならば僕たちが知覚している何もかもは本当は宇宙の外側の平面上に記録されている情報なのだから、ここにある3次元の宇宙空間は「私自身」の認識の結果でしかないのだ。


上記がざっくり僕の宇宙観なのだが、この構造はMMOやFPSのようなオンラインゲームに似ている。


オンラインゲームをやる場合、ゲーム内世界の空間データは全て各プレイヤーのローカル環境にインストールされる。オンラインゲームの各プレイヤーは、それぞれのローカル環境で立ち上げた物理的には別々のゲーム世界で孤独にプレイしている。にもかかわらず、僕たちは同じゲーム内世界に複数のプレイヤーが存在しているかのように認識する。しかし実際のところ、僕のローカルデバイス上に立ち上がっているオンラインゲームの世界内に存在するのは「私自身」だけである。他のプレイヤーはゲーム世界の外部から送信されてくるデジタルデータとしてしか存在しないのだ。


目に見えているこの宇宙は幻であるという宇宙観はプラトンイデア論なのかもしれない。目に見えているこの世界は影でしかなく、本質はイデアにあるという哲学理論だ。てつがくフレンズでも触れられていたけど、紀元前400年ころにつくられたこのイデア論について、人類は2000年以上の間ずっと議論してきた。


さて、なぜ僕がこのような宇宙観に至ったかというと、物理学のコペンハーゲン解釈というものがどうしても訳が分からなかったからだ。そして色々とどういうことだと考えていて、コペンハーゲン解釈をオンラインゲーム的に考えるとしっくり来たからだ。


ということでその辺りを説明していこう。


量子力学 / コペンハーゲン解釈

ちょうど100年ほど前、有名なアインシュタイン相対性理論と時代を同じくして、量子力学という物理学が立ち上がった。


量子力学というのは電子や光子などのミクロな物質を扱う物理学の一分野だ。なぜそれまでの力学とは別に量子力学というものが出来たのかというと、実験でミクロな物体の運動を観測してみたら、僕たちが認識しているこの世界とはずいぶんと様子の違う運動をしていたからだ。


有名なのが二重スリット実験である。二重スリット実験についてはネット上にいろいろと転がっている。

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二重スリット実験で明らかになったのは、どうやら物質というものは粒子として観測されるが、観測されていない時は波のように振る舞っているようだということだ。


物質は粒子でもあり波でもある。どういうこと?


この不思議な二重スリット実験の実験結果に対して、「物質は観測されていない時には確率的な複数の状態の重ね合わせとして存在していて、観測されると状態が確定して粒子に変化する。」と考える解釈がコペンハーゲン解釈であり、この摩訶不思議な解釈が今のところもっとも主流である。


つまり、僕の目の届く範囲では物質は粒子となって色々な物体を形作っているが、目に見えていないところでは、物質は確率の波としてぼんやりと曖昧に存在しているということだ。僕たちの一般的な世界観からするとこの現象は理解出来ない。この世界はたしかにこの世界として存在しているはずだからだ。しかも「私」の観測範囲がこの世界の成り立ちに影響しているというのだから、わけがわからない。


しかし実は僕たちはこのような仕組みのもと実装されている世界を知っている。オンラインゲームの世界だ。


僕たちがゲームをプレイしている時、ゲーム本体はレンダリングという機能を動かし続けている。ゲーム世界のデータは全て0と1とで表現されるデジタルデータである。そのデジタルデータを元にして画面上に3次元世界を描き出すことをレンダリングという。


そしてこのレンダリングというのは非常に負荷の高い工程なので、一般的に広いゲーム世界全体をレンダリングするのではなく、画面に映る範囲(+α)だけを必要最小限レンダリングして画面に表示している。つまりゲーム世界というのは画面に映っている範囲内では3次元世界が広がっているが、その外側は0と1とのデジタルデータしかないのだ。


この構造はコペンハーゲン解釈に似ている。僕たちの観測範囲内の物質はレンダリングされて粒子になるが、その外側ではぼんやりとしたまま存在している。このようにオンラインゲーム的に考えると、あの訳が分からなかったコペンハーゲン解釈の世界観が少なくとも実感としてしっくりくるようになるのだ。


超弦理論 / ホログラフィック宇宙

50年前から現在まで、最先端の理論物理学超弦理論という理論に取り組んでいる。


50年前の時点で量子力学標準模型というほとんどの力の相互作用について記述可能な理論を構築していた。しかしこの標準模型で唯一計算出来ないのが重力の相互作用だった。重力を計算する理論としてアインシュタイン一般相対性理論があるのだが、ミクロの世界を扱えるように一般相対性理論量子力学の中に組み込もうとすると上手く計算出来なくなるらしい。


そのため、理論物理学者たちは重力を扱える量子力学(量子重力理論)を求めて研究を続けていて、その最先鋒が超弦理論なのだ。超弦理論は物質の最小単位を弦のように振る舞うエネルギーであるとして、その弦の振動の仕方によって色々な素粒子が形作られているとするものだ。

ja.wikipedia.org



そしてこの超弦理論が、ホログラフィック原理に繋がっているらしい。


ja.wikipedia.org


ホログラフィック原理というのは、空間内部の情報は空間の内部ではなくその外側の境界平面上に符号化して存在しているという理論。ブラックホールの事象の地平面の内側の情報量は、ブラックホールの内側の体積ではなく事象の地平面の面積に比例するという発見があったのだ。そしてこの平面上での物理現象を超弦理論で記述出来そうということらしい。


この空間内部の情報は境界平面上に存在するという原理を、宇宙にも適用しようというのがホログラフィック宇宙。この宇宙のあらゆる情報は、宇宙の外側の境界平面上に符号化して存在し、僕たちが認識しているこの宇宙空間は、平面上の情報がホログラフィーのように投影されたものにすぎないということだ。


このホログラフィック宇宙の世界観もオンラインゲームに似ている。境界平面上に存在する本質的な情報というのはオンラインゲームにおけるサーバー上の情報であり、僕たちの手元にあるゲーム機はその情報をダウンロードしてレンダリングして表示しているにすぎない。僕たちが認識している世界に本質はなく、本当の情報はサーバーとか境界平面上とかにあるのである。


まとめ

以上から、僕はこの宇宙はオンラインゲームのような仕組みにそっくりなのではないかと思っている。


かなり電波感あるけど、まあしかしなんかこう考えると色々とすっきりする。僕らの認識しているこの世界と、物自体の情報がある世界とはまったく別物であるという考え方になるだろうか。


この世界観は紀元前400年にプラトンが提唱したイデア論そのものか。けっきょくプラトンが一番正しかったのかもしれない。プラトン恐ろしい子・・・!


しかしこうまでオンラインゲームの実装に似ているとすると、この世界はさらにその外側の誰かが作ったオンラインゲームなのではないか・・・、おっと誰か来たようだ。