機動戦士ガンダム

めちゃくちゃ久しぶりにファーストガンダムを観た。

第1話 ガンダム大地に立つ!!

第1話 ガンダム大地に立つ!!

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video


1979年放映の国民的アニメ。ところがテレビ放映当初は視聴率がまったくふるわず、実は打ち切りの形で終了している。ところが物語が終盤になるにつれて人気が出始める。宇宙世紀シリーズは物語の中盤は比較的地味な展開が多く、終盤になって大規模宇宙戦闘に入っていくあたりで激アツになるのでなるほどと思う。

このあたりの経緯はWikipediaなどをみると面白い。

ja.wikipedia.org


機動戦士ガンダム宇宙世紀シリーズは戦争がテーマであり、特にロボットアニメであるわりに兵器のリアルさが特徴で、神秘的な力のようなものはほとんど存在せず、モビルスーツスペースコロニーなどサイバーパンク的な想像力の範疇で作られている。平成以降のガンダムでは兵器のリアリティをある程度捨てた部分があるので、宇宙世紀シリーズでしか味わえない戦争のリアルさがある。


昭和のサブカルチャーは時代的に第二次世界大戦を参照しているものが多い。ファーストガンダムはこれが特に顕著で、大戦時の模様がダイレクトに描かれている。まず太平洋戦争の最大の特徴であった戦艦同士の艦隊戦が戦闘のベースになっているし、特攻隊なども出てくる。ジオン軍の破れ方は日本の敗戦の仕方を踏襲している。物語最終盤の決戦では、正規パイロットの多くを失い学徒動員して回しているジオン軍モビルスーツは、性能の劣る連邦軍モビルスーツになすすべなく撃墜されていく。


第二次世界大戦を数多く参照しているリアリティのある戦争描写がファーストガンダムの大きな見どころだろう。


あと、今回宇宙世紀シリーズを見返して特に印象に残ったのは「先に出会った」というフレーズである。なんで戦争なんてするんだという問いかけに、ララァ・スンは「アムロより先にシャアに出会ったのだからしょうがない」というし、サラ・ザビアロフは「カミーユより先にシロッコに出会ったのだからしょうがない」という。


「先に出会った」というのは党派的な闘争の1つの本質であるように思う。しかし彼女たちが聡明なのは「先に出会ったのだからしょうがない」という自らに対するメタ視点を党派性と同時に持ち合わせていることであり、この視点はこの先重要なもののように思う。党派性を持っていることは自然なことだが、しかしそれは単に「先に出会ったからしょうがない」ものなのである。