サッカー日本代表 スイス戦感想

テストマッチとしては申し分ない相手だったスイス代表。個人の能力と組織力が高いレベルでバランスした理想的なチームでした。スイスというチームはザックジャパンが目指していたところに近くて、日本代表は2014年のたった一度の失敗で諦めずにこの路線を突きつめていくべきだったと思います。そうすれば直前の解任劇でこんなゴタゴタになってしまうこともなかったでしょう。ハリルを登用した人事はめちゃくちゃ反省してほしい。


試合ですが、そのスイスのホームに乗り込んでの試合だったのである程度やられるのはしょうがないですが、バイタルでフリーで前を向かれたりとか、サイドを攻略されたりとか、たまに一発ロングパスで一気にシュートにもっていかれたりとか、スイスの変幻自在の攻撃になかなか対応するのが難しい試合でした。


特に日本は中盤でパスではなくドリブルでも突破出来るチームに弱くて、これは日本のフィジカルの弱さもあって、しっかり人数かけて潰しにいけてるにドリブルでかわされてしまって一気に前を向かれてしまうシーンが目立ちました。それでも本当に決定的なシーンは作らせなかったので、スイス相手によく守ったという見方も出来るでしょうか。


ポジティブだった面としては、やはり大島はかなりいけそうです。中盤のスペースで前を向いて受けるのが非常に上手くて、そこからの展開力も優れているので大島が前を向いたときはもっともチャンスの香りがしました。この大島が良いコンディションで本番を迎えられるかどうかは大きそうです。


あとは長谷部があのチーム相手にフル出場問題なかったこと。酒井宏樹の怪我も大丈夫そうだったところもよかったでしょうか。4-3-3なら酒井宏樹は使いたい。


チームとしてもスイスを相手にしてもそれなりに攻撃の形は作れています。


ネガティブな面としてはやっぱり宇佐美がけっこう厳しいですね。とにかくひたすら足元でボールを要求して、ボールが出てこなくて天を仰ぐみたいなシーンのオンパレードなので、あれだと厳しいんですよね。


なので左サイドはポジショニングの上手い香川か縦のスペースを狙える岡崎の方が良いと思います。もしくは原口左で宇佐美右というクラブチームで結果を出している形でしょうか。宇佐美は右サイドにして縦へのプレーを強制すると上手く動けるのかもしれません。


4-3-3にするならやはり久保か浅野は入れたほうがよかったですね。このチームは相手のDFラインの背後のスペースを狙える選手がいないのが問題で、相手のDFラインに対してスプリント勝負を仕掛けられる選手が控まで見渡してもコンディション不明な岡崎と、ワントップのバックアップとしてサイドでは使いづらい武藤しかいないのが厳しいです。


次のパラグアイ戦では左で乾が先発するかもしれません。ただ日本代表にドリブラータイプの乾がハマったことがいままでないので、それでどうなるかですね。この試合では宇佐美に比べれば乾が入ってからの方が攻撃が活性化していたので、パラグアイ戦で乾を見て左サイドをどうするのかがしっくり決まるといいのですが。


西野監督にとっては宇佐美は思い入れのある選手だと思うので、この宇佐美をなんとか出来るかがオフェンス面でのポイントだと思います。


あとは、大迫のコンディションが悪そうでした。逆に武藤はなかなか動けてそうなので、どちらを使うかは西野監督の頭のいたいところでしょうか。とにかく時間がないのでそろそろレギュラーを固定して連携を深めていかなければなりません。


本田はやはり及第点。大島を前にいかせて自分が大島の後ろをカバーしたり、宇佐美を中央にいかせて左サイドに開くとかいろいろ考えてやってそうな感じはうけましたし、中盤のリンクマンとしては仕事は果たしていました。ただとにかく宇佐美があれで左サイドに何の動きもない状況だとパスコースもないし厳しい感じもしました。


ゲームメークは大島がやってくれるので、より危険なエリアでのプレーを好む香川も先発で見てみたいです。


もっと根本的には「え、4-3-3でやるの?」っていうところもいただけないところです。僕囲碁好きなんですけど、囲碁だとたとえ悪手だろうととにかく一度打ってしまった手を生かしていくという考え方があるのですが、ガーナ戦で3-6-1をやってしまった以上は、そしておそらくメンバー選考も3-6-1をベースにやってしまった以上は、3-6-1でいくのがベストだったと思います。


とにもかくにも、スイスと試合出来たことは非常によかったと思います。グループリーグも強豪揃いですが、スイスほど完成されたチームはいないと思うので、このプレースピードに少しでも触れられたのはよかった。