ニートの時代

年の瀬になってまいりました。

僕はゼロ年代後半から2012年ころまでのインターネット文化圏が好きで、その勢いで仕事も組み込み系からWeb系へ転職したりもしたわけだけど、こまったことに最近はインターネットへの情熱というものもすっかりなくなってきていて、何か新しく好きなものを見つけないとなって思ってる今日この頃。


ゼロ年代後半の日本のインターネット圏は爆発的な普及期でありながらもまだまだ一般的な人が使い込むようなものではなくて、いわゆるオタク層に分類される人たちが先行して流入している状況でした。その中で、ニコニコ動画で動画コンテンツを誰でもストリーミング配信することが出来るようになり、いろいろな文化や思想が生まれました。


この時代のインターネットは大きく言えば社会的自由を指向していました。大人になったら社会の一員になって、どこかの会社に所属して、定年になるまでどこかの組織の一員として働く。そんな常識から解放される可能性をゼロ年代の後半のインターネットは感じさせていたのです。


その象徴的な話としてあがるのが当時まだまだ一般的にはマイナーな存在だったWikipediaで、まだまだ辞書として歯抜けな状態だった当時の状態からオタク系の記事だけがものすごい勢いで充実していきました。当時これらの記事を更新していたのが(象徴としての)ニート達であり、特定の組織に縛られず好きなものに向かって行動し続ける自由な人たちが主役になってこの新しい(そして全く優れている)文化圏を切り開いていくのではないかと言われていました。


しかしこの流れは2013年ころにはすでに明確に変わっていて、この頃からインターネットは流入してきた大量のサラリーマン達のものになります。無職はよくないものとされ、ニート的な価値観はネット上でも異分子とみられるようになり、炎上という形の圧倒的な正論の雨に打たれてニート的な価値観は打ち砕かれてしまいました。


そういう意味では東のエデンけものフレンズはなかなかそれぞれの時代の象徴的なアニメ作品かもしれません。

ブロガーのイケダハヤトさんとかにはゼロ年代の残り香が少し感じられたりもするのですが、基本的にこの手の人達は今では非常識な人として処理されています。


ゼロ年代後半のようなニートを称賛出来るような寛容さをもった文化圏は、おそらくもうインターネットからは生まれないかもしれません。

ただ僕としてはニート大勝利の可能性にこの先もベットし続けたいと思っているので、2018年はそういう可能性の生まれそうなものを探していけたらいいなと思っています。