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35歳問題 ロールモデルの消失

雑記

anond.hatelabo.jp

35歳問題というのはなかなか古くからあって、IT業界だとプログラマー35歳限界説とかが有名ですし、村上春樹の小説の主人公は35歳に設定されていることが多いですね。

男性の健康寿命がだいたい70歳くらいだから、35歳っていうと人生の折り返し地点です。35歳の誕生日を迎えたその日から人生は後半戦に突入するわけなので、34歳と35歳との間にはものすごく大きな違いがあるわけです。一般的に人生の節目といわれる、19-20歳とか29-30歳とかとは比べ物にならないほど、34-35歳の断絶は大きなものです。

このように形式的にも35歳はおおきな節目になるわけですが、この増田の言うように加齢によるやる気の喪失というものにも35歳という年齢はよく引き合いに出されます。プログラマー35歳限界説なんかもそうですね。


なぜ35歳でやる気を失ってしまうのかは、自分の限界が見えるとか社会の成り立ちを理解してしまうとか所説ありますが、僕が思うに35歳問題の原因はロールモデルの消失によるところが大きいのではないかと思います。

20代の頃までは年上の人が30代の若手バリバリ世代にいるので、そこに目標とすべき人がいるわけです。好きなミュージシャンとか、好きなタレント、好きな同業のスタープレイヤー、などなど。憧れのような存在です。この人のような生き方をしたいとか、頭が良くなりたいとか、かっこよくなりたいとかっていう、偉大な先輩に対するあこがれは大きなモチベーションをもたらします。特に、ポストモダンといわれ大きな物語が機能しなくなっていると言われているこの時代では、集団として社会としての目標はもはやなくなり、個人個人がみなそれぞれバラバラに目標設定をする必要があります。このような中で、偉大な先輩に対する憧れというものは、ロールモデルとなり、目標設定に大きな手助けとなります。


ところが30代中盤になってくると、このような先輩たちは40代50代に突入して、ほとんどの人は第一線から退いていきます。(撤退するか、あるいわマネジメント側にまわるか)
※第一線にいつづける偉大な人もいます。タレントならダウンタウンとか明石家さんまとかでしょうか。しかしこのような人たちの立ち位置はいわゆる大御所と呼ばれるようなものとなっていき、目標にするにはあまりにも大成功しすぎています。

そして憧れの先輩がいつの間にか喪失していることをはっきり自覚するのが35歳という年齢です。そのため、ロールモデルにたよって目標設定をしてきた人は、35歳になった時に目標の再設定に迫られます。しかしここで問題なのは、上記の理由から、35歳から見た年上世代にはすでに目標と出来るような都合の良い先輩はほとんど存在していません。

もっとも、35歳にもなると年下世代の方が勢いをもった才能たちがたくさん出現してきますので、目標とすべき人はいくらでもいるように思えます。しかし年下世代を目標にすることは非情に難しいのです。その理由は、後輩たちは35歳になった自分が絶対に手に入れることが出来ない若さというステータスをもっているからです。若さというのはあらゆる意味で強力です。もちろん部分部分では後輩を参考にできることはたくさんありますが、絶対に手に入れることが出来ない強力なステータスをもっている以上は、「この人のようになりたい」というロールモデルたる存在にはなりえません。



このように35歳になった時に起こるのは、ロールモデルの消失、およびロールモデルがもはや再構築出来ないという現実との遭遇です。35歳以降はロールモデルなしで一度失った目標を再設定しなければなりませんが、大きな物語すら消失しているこの時代では、目標を与えてくれるものが見つからない事態に陥ります。

こうやって、頑張らない35歳がつぎつぎと誕生します。



じゃあどうするかというと、35歳になるまでにロールモデルに頼らない好きなことを見つけられれば一番良いと思うのですが、そうでなかった場合は、35歳になった時にそうだ自分はいま25歳なんだとガチで思い込めば、けっこうロールモデルベースでもいけるんじゃないでしょうか。いやまじでこれしかない。