武装する国民

ミャンマーが大変なことになっている。

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また、ウイグル地区では深刻な人権侵害が行われている可能性が高いという話もある。これらは比較的近隣諸国の出来事である。


それにしても、これらの強大な権力の前になすすべがない状態をみていると、なるほどアメリカの銃所持問題は一言で銃規制すれば良いとはいえないと感じる。


現代の世界のパワーバランスでは、これらの国内ではどうしようもない問題が発生した場合にはアメリカの経済力/戦力をベースにした外からの圧力での解決が基本である。その構図ももう長くはもたないという話もあるが、いずれにしてもミャンマーの場合もアメリカが動けるかどうか次第で将来は180度違うものになりそうだ。


これは逆説的に考えると、今回のようなクーデターに対して最も脆弱な国はアメリカだと言える。アメリカ国内で問題が発生した場合には、外部にアメリカがいないので外圧による解決が望めない。アメリカの銃所持は、理念的にはそのような事態を想定して国民自身で武力解決を行うための、憲法で国民に保障されている「武装権」なのだ。またバイデン大統領のような左寄りの政治家が銃規制を進めようとするのは、イデオロギーからみても当然なのだという視点もあるといい。


みなが銃を所持することで深刻な無差別殺人事件が毎年のように起きている。しかし一方で、世界でNo1の権力者と言っていいアメリカのトップは、つねに国民からの銃口にさらされている。それこそがアメリカの立憲主義であり、それは多くの死の上にしかなりたたたないのかもしれない。


ところで日本はかなりダメであるとも感じる。憲法で戦力の保持が禁止されてから70年の年月がじわじわと日本を蝕んでいて、おそらく今はもう何も出来ない国になっている。2010年代は立憲主義という言葉が流行していたが、誰にもそのために血を流す覚悟はない。もちろんそれはいいことだとも思うが、空虚な言葉だけが空中を飛び交う国になっている感は否めない。