仮想人生 / はあちゅう
はあちゅうの仮想人生を読んだ。面白かった。
- 作者: はあちゅう
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/01/10
- メディア: 単行本
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ツイッターの裏垢上で繰り広げられるリアルとは切り離された別の人生(=仮想人生)を複数の登場人物の視点から描いた小説作品。はあちゅう自身が匿名ツイッター裏垢を運用していて経験したネトナンを主な題材にしていて、適当な女性タレントの商材写真を裏垢のプロフにしていたら「SEXさせて」みたいなDMがたくさん届いたらしい。そしてそんなのに実際に会い行ったりしてみたらしいから面白い。
そんなのも含めて、ネット上で色々経験してSNSを使い込んでいるはあちゅうだからこそ書けた作品だと思う。タイトルの「仮想」が示す通り僕なんかから見るとなかなかぶっ飛んだ世界が繰り広げられてるけど、だからといって決して現実離れしていない物語。はあちゅう自身SNSに対しては色々と思うところがあると思うのだけれど、そういった思いを吐き出した一冊ともいえるかもしれない。
はあちゅうの小説はこれ以外にも何冊か読んでいるんだけど、人の感情の複雑さみたいなものをテーマにしているところがあって、僕はけっこう好き。はあちゅうというと専業作家ではなくてインフルエンサー的な活動の方が目立っているのでタレントの書いた小説なのかなみたいな雰囲気がどうしても出てしまうけど、そういう先入観を取っ払って読んでみると面白いかも。